久々のブログ更新が、ボカロネタでも邦人作曲家絡みの話題でもなくLEGOブロックのおはなしです。
8月から10月初旬まで、久々にLEGOのオリジナルモデルを作って遊んでました。
といってもLEGO Digital Designerを使ってCADで組んでいたのですが。
前のモデル(路面電車)が2005年制作なんで、実に8年ぶりとなります。その間何をやっていたの?というとボカロP…じゃなくて主に酒飲みでしたね。あと、妄想。
今年の国際鉄道模型コンベンション(JAM)で、LEGOトレインのサークル「Lゲージ ブロック玩具で作る鉄道模型」の展示スペースにこの路面電車を手直しして出品する機会をいただき、久々にLEGO熱に火がついた、というわけです。
そんなわけで、こいつがそのオリジナルモデル↓
※その他の写真はこちらに→ http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=535495
ぱっと見、285系のようですが、よく見ると屋上機器が交直両用となっています。だから「585系」。583系の後継、ということで。
「7ポッチ幅の個室寝台」を昼食用のお弁当の箱詰めをしている時に思いついたところからスタートしました。なので内装から組みはじめ、あれよあれよという間に巨大化…この時決めた全長50ポッチ・幅7ポッチという規格に後々苦しむことになろうとは。
作業は
- 紙のノートにアイデアをスケッチ。
- LEGO Digital Designerで組む。
- 部分的に実物を組んで確認する。
- 完成したモデルをLDD to POV-Ray Converterを使い、POV-Rayでレンダリングするためのデータに変換する。
- POV-Rayでレンダリング。
- レンダリング後に間違いを発見して2に戻る。以下ループ。
といった流れで行いました。
このループが辛かった…なぜか組んでる時は気づかないんですよね。印刷してからミスに気づくのと似ている気がしました。
クハネ585
「ク」は制御車、「ハ」は普通車、「ネ」は寝台車(この場合「ハネ」の組み合わせでB寝台を指す)、585は「交直両用(5)の特急用車両(8)で開発順として5番目」を指す型式番号、となります。
このクハネが最初に作った車両で、2階建ての上層部分の組み立てからスタートし、その後下層→台枠→車両後部→先頭部といった流れで制作しました。気付いた時には全長50ポッチに。通常市販されているレゴトレインは24もしくは28ポッチ長が基本なので、その倍くらいの長さがあります。台枠から計画的に作ったほうがいいような気がします。
いわゆるフルスケール系なんですが、なぜこの長さになったのかというと、
↑このようにミニフィグを乗せるための個室を作ったからです。
上層部3室、下層部3室、車両後部のトイレ・洗面所も含め、この構成がモデルの基本になりました。右端に見えるのが洗面所、のつもりです。
個室内のベッドは変形して座席になる仕様です。が、現実にはこのような寝台は存在しません。これは縦方向にスペースを確保してミニフィグを座らせるためのギミックなのです。シーツごと開いてしまうのが滑稽ですね。背もたれのヒンジを%2555と%44302を組み合わせて作っています。噛み合わせは甘いものの、背もたれをしっかり保持できる上、%44302のトゲトゲ部分に指の爪を引っ掛けると寝かせていた背もたれを持ち上げることもできます。
反対側はこのように個室のドアと通路で地味な雰囲気に。実際の285系は中央の通路を挟む形で個室が左右に配置されているのですが、7ポッチ幅ではデフォルメせざるを得ず。階段もゆとりある作りに出来ました(この車両だけ)。
トイレも含め、ドアは一応稼働します。が、開く幅はせいぜい1ポッチ程度。部品の保持も考えるとこれが限界でした。
消火器は試しに仕込んでみたら案外面白くて、各車両に配置することに。
先頭部の外観は583系をリスペクトしました。285系同様の2色ヘッドライトを縦に配置して周囲に翼をイメージしたEarth Blueの塗り色。これがボディから少し飛び出ているので、485系のボンネット型のような雰囲気も少しあるのではないかと。テールライトは285系に準じた形に。
貫通扉には国鉄特急マークを配置。これは583系同様、貫通扉に合わせてふたつに分かれるようポチスロ部品(1ポッチ幅のスロープ部品)を選んでいます。
運転席はかなり大型のキャノピーを選びましたが、イメージとしてはE259系のような、ガラスと一体になった黒い屋根の感じを狙っていました。が、分かりづらいですね。そういったこともあって、当初組み始めた時はE259系同様に貫通扉の塗り色も変えていました。
先頭部の内装がごちゃごちゃしているのは、貫通路のギミックを仕込んでいるためです。
貫通扉が前面にせり出して左右へ分割、奥から幌や渡り板がせり出してくるという作りです。但し、運転席と干渉するため幌は最小限のサイズでしか作れず、結果的に上部がスカスカ。完全に雰囲気のみのギミックです。ここはさすがに実際に組んで検証しながらの作業となりました。
扉を前部へ引き出すには指だけではどうにもできないだろうと思い、ひっかけて押し出すための道具を運転席後部に置きました。
↑実際に併結状態を再現するとこんな形になります。この場合、台車はスカート・連結器一体のものに履き替えさせる必要があります。
結構お気に入りの妻面。トイレや洗面所の汚水タンクも取り付けました。
サハネ285
「サ」は付随車(運転台も動力もない車両)を意味する記号です。
後述するサハネ585-200と合わせて、内部のレイアウトに苦労した車両です。実際のサハネ285と同様に、2階建部分を挟むように平屋部分に2人用個室を設置したのですが、そのせいで階段用のスペースがほとんど無く、1階・2階とで廊下・室内の配置を逆転させ、階段は1ポッチ幅で回りこませるという荒業でなんとか収めました。意外と違和感はなかったのではないかと。スペースの都合でトイレも省略しました。
ドアは開くと方向幕を隠してしまいます。
2人用個室のプルマン式寝台(レール方向に寝台を置き、昼間はこれをたたんでボックスシートにできるもの)のギミックは、最近のポチスロ部品のおかげでかなりシンプルな作りにできました。まあ実際の寝台とは少々異なるギミックなのですが。非常に分かりづらいですが、2人用個室の壁面に縦に配置したポチスロは梯子のつもりです。分かりづらい。
モハネ585-200
実際の285系と同様、床下機器も屋上機器もぎっしり詰め込んで、いろいろと忙しい車両です。
実車と大きく異なるのは、屋上機器が交直両用のものになっていること。これは交流50Hz/60Hz双方に対応したE655系の機器を参考に配置しました。クーラーとブレーキ抵抗器も配置しなければならないので、かなり苦しいレイアウトに。
床下機器は鉄道ファン誌1998年6月号を参考資料として作成しました。
ちょっと窓が大きすぎたか。後述のモハネ585と差別化が難しいところでした。
この車両に関しては作るかどうかかなり迷いました。のびのび座席というカーペットシートによる座席車(C寝台と悪口を言う人もいる)を再現となると、どうしてもミニフィグを枕木方向に寝かせねばならず、ミニフィグは横に寝かせると5ポッチ半〜6ポッチは必要になりますから、7ポッチ幅といえどスペースがどうしても足りなくなるのです。
まあそこはミニフィグの頭を極限まで窓に突っ込ませて通路分の空きを確保するという力技で解決。少し足がはみ出ておりますが。カーペットにはミニフィグ固定用のポッチ付きタイルを設置しています。
この車両では車掌室がお気に入りです。黒い扉も結構ハマったのではないかと。窓を開閉できるように作りたかったのですが、そこは断念。
サハネでは省略したトイレも設置しました。
↑ちょっと分かりづらいですがコチラの側にも業務用室というのがあります(デッキと客室の間)。何のための部屋なのか調べても結局わからなかったのですが、おそらく車掌室に準じた設備であろうということでそのように作っています。扉も実車のストライプの入ったガラスを再現し、車掌室と差別化しています。
長くなってしまったので続きは後編へ。